子どものフォークロア
―その異人ぶり―

武田 正著
(山形女子短期大学教授)

1997年5月刊
A5判・260頁・上製本・カバー装
ISBN4-87294-82-6
4800円 品切れ

著者は今まで、昔話を、語り手と聞き手との関係で捉え、その聞き手である子どもに視点を据えてきたが、本書では、そこからもう一歩踏みだして、子どもの民俗の根にあるものにまで切り込もうとする。
そのために、民俗学が蓄積してきた子どもの民俗の研究をもとにして、東北地方の子どもの民俗に焦点を合わせ、特に蓄積の厚い「年中行事」「人生儀礼」をムラ共同体の内部から、子どもの目で見るという視点にこだわって考え、さらに、「子どもの遊び」の意味論と、具体的な「遊び」「わらべ唄」「昔話の語り」の中の子どもを見ようとする。


【主要目次】

序 章 子どもの世界の発見

第1章 境界に立たされる子ども
子どもを見る目/子ども観の変遷/子どもの境界性

第2章 年中行事の中の子ども
暦の混乱/神ごとの中の子ども/子どもの無心・いたずら

第3章 人生儀礼の中の子ども
1 生まれることへの認可
2 すべての子のために
3 いのちの誕生(妊娠・出産/間引き・苞もれ・福子/
  死の周辺/タママモリ)
4 性の豊饒の民俗(若者組/夜這い・嫁盗み/米沢藩の犯科帳)
5 異界からくる嫁―婚姻入家儀礼と葬送出棺儀礼の問題―

第4章 遊びの中の子ども
1 遊びの創造性(かくれんぼ/子とり遊び/さいなら三角)
2 わらべ唄の世界(わらべ唄の春/わらべ唄の夏/神ごとと子ども)
3 昔話と子ども(古屋の漏/山姥と桶屋/廻りもちの運命)


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