職人ひとつばなし

斎藤卓志・石川三千郎ほか著

1997年2月刊
四六判・300頁・上製本・カバー装
ISBN4-87294-73-7
1748円
1998年3月 3刷出来


【すいせんの辞】木下 忠(愛知大学教授)
ここに登場する職人の活躍した時代は、高度経済成長期前の昭和30年代にあたる。
それは家業を継ぐ、弟子に入る、奉公に出るなどの、職にかかわる仕組みが変わる節目でもあった。ひとくちに職人といっても、手元仕事、土手間仕事や、農閑期のあいまかせぎであることも多い。当時のムラで、どのような仕事や暮らし方が選択できたのか。
聞き書きは初めて、という人達のつづった『職人ひとつばなし』は、このように生きた人間もあったということを、さらりと教えてくれる。

三河の風土のなかで、昭和という時代を送った職人19人の語りで綴る庶民史。 “ひとつばなし”とは、すこしばかり得意になって聞かせる話、めったにない話、 というほどの意味があります。


【主要目次】

饗庭塩ハマトリ(杉浦佳苗)
豊年屋白木店一代(杉浦敦子)
旅役者曙當芝居ばなし(石川三千郎・近藤由美子)
知多の野鍛冶(斎藤卓志)
高浜の鬼板師(河村和男)
村の洋食屋(杉浦瞳)
注文服と共に(夏目悠美子)
三河の万八博労咄(斎藤卓志)
堂ノ下の瓦屋(甲原恵美子・新家とよ子)
田舎の左官(柴田信明)
杣屋三代(斎藤卓志)
桜井の祝い凧(鈴木厚子)
酒元安鼓饅頭本舗(近藤由美子・甲原恵美子)
宮前の棟梁(岡田百合子・汐満房江)
粘土屋稼業(阿部健)
知立の太鼓造り(渥美精一・大野政彦)
岡崎材木町の菓子屋(久世郁子・鈴木美津枝)
竈造り一代(川合正治)
畳屋茂登君の話(石川三千郎)
( )内は調査者



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