ケガレからカミへ[新装版]

新谷尚紀著
(国立歴史民俗博物館助教授)

1997年2月刊
B6判・276頁・並製本・カバー装
ISBN4-87294-72-9
2900円
品切れ


「烏鳴きが悪いと人が死ぬという」。こうした話は日本の各地で共通して聞かれる。
その一方で烏は、烏勧請・御鳥喰・鳥喰神事などにおいて重要な役割を果たしている。
烏は黒・闇の象徴であり、その暗闇は祭祀儀礼の中では、神の顕現する世界であった。
そして、それは死と穢れの世界として恐れられる時空でもあった。 ケガレとは何か、カミとは何か…。 身近な民俗事実の観察分析と、それに基づく立論により確認されたのは、 ハレに対応するのはケであり、ケガレに対応するのは、ほかならぬカミである、
という結論であった。


【主要目次】

本書は、1987年に木耳社から刊行されたものの[新装版]です。

人と烏のフォークロア―民俗世界の時間と構造―
厳島神社御島廻式とその構造
 (御島廻式の神事/鎮座伝承と民俗の時間/神の領域厳島)
御鳥喰習俗の諸類型(各地の事例/各類型間の対応)
黒の象徴性(烏の属性/護法祭の基層構造)

ケガレ・ハラヘ・カミ
ケガレと死のイメージ
ケガレから境の神へ(送神祭/サイトウ焼き/ドウラクジン焼き/ショウキサマ/他)
ケガレからマレビトへ(厄払い/綿買い/ホトホト/アマメハギ/面様年頭/他)
ケガレから祖霊へ(高知西泊の葬送儀礼/壱岐勝本浦のエビス)

遊びの深層―儀礼と芸能の間―
子供の遊び
神遊び(大元神楽/荒神神楽/護法祭)
原初回帰とシステム変換  遊びから芸能へ、儀礼へ

The Folkloreof Peopleand Crows/Heritageofplayin Ethnology


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