日本宗教民俗学叢書3
近世修験道の
地域的展開


藤田定興著
(福島県歴史資料館学芸員)

1996年9月刊
A5判・490頁・上製本・函入
ISBN4-87294-61-3
11000円 (税別)


本書は、近世東北(南部域)の本山派修験を中心に、以下3点の解明を課題とした。
1つは、近世山伏の身分や生活を枠づけた組織と制度、とりわけ在地におけるその形成経緯と組織の内容を明らかにすること。2つめは、山伏という宗教者を特色づけている宗教行為について、その特色の形成および内容を明らかにすること。3つめは、山伏の生活維持にかかわる家政、すなわち寺院経済の実情を明らかにすること。


【主要目次】

第1編 在地組織
第1章 年行事の誕生とその支配域
 白川の年行事/石川・田村の年行事/岩瀬・安積・安達の年行事/
 信夫・伊達の年行事/岩城・岩前の年行事/菊多・楢葉・相馬の年行事
第2章 先 達―会津先達南岳院とその支配・組織―
 会津藩領及び幕領と領内修験の概観/
  先達南岳院の誕生と支配体制の確立/先達南岳院の組織

第2編 宗教行為
第1章 宗教行為の特色形成―社家・僧侶との争論による主張―
第2章 宗教行為の諸相
 宗教行為とその内容/南照寺の宗教活動/守札配付と修験
第3章 作法類の授受
 付:史料紹介(宿採燈護摩法/福聚院龍嶽伝授切紙)

第3編 寺院経済
第1章 山伏の諸収入
第2章 山伏の諸出費
 入峰と入峰費/補任状取得の入峰道中と費用/造営費・香奠
第3章 山伏の商行為

付 編 山伏住居の特性とその背景


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