御影史学研究会民俗学叢書8
田の神・稲の神・年神


藤原 修著

(大阪府立加納高等学校教諭)

1996年6月刊
A5判・308頁・上製本・函入
ISBN4-87294-55-9
6400円


田の神信仰は、日本民俗学の中で最も稠密な研究が行なわれている分野の一つである。
この課題にたいして本書では、大正月と小正月という行事がなぜ並んで存在するのか、アエノコト地帯ではなぜ年神去来伝承が希薄なのか、最後の稲束が種籾としてなぜ利用されないのか、などの素朴な疑問から出発して、田の神・稲の神・年神(トシガミ)の関係を明らかにし、現行正月行事観の成立について論じる。
さらに、秋から春の期間には、連続するものを区別し、区別されるものを連続させる構造(転換の論理)があることを指摘する。これを梃子にアエノコト・ウシドン・ヤマドッサンを分析し、新しい年中行事像と田の神去来伝承の意味を究明しようとする。


【主要目次】

第1章  正月行事の性格と構造
  感謝と祈願/神の性格転換/正月行事の構造/正月行事の転機と予祝儀礼

第2章  アエノコトの構造
  大正月とアエノコト/春のアエノコト/ツチキリ/冬のアエノコト/アエノコトの核心

第3章  田の神と稲の神
  神格の変化/年神と田の神/転換の論理と去来伝承/ウスブセ/タノカミサン/クラビラキ/田の神と稲の神

第4章  ウシドンと最後の稲束
  田の神去来伝承とウシドン/送迎の意味/種籾と稲束

第5章  ヤマドッサン伝承の意味
  事例の通観/トシガミサンとタネドウラサン/年神・山神・地の神

第6章  トシガミの性格
  トシガミ観の変遷/トシガミの田の神的性格/トシガミの祭壇/ホタケ様/頭受け神事/葛藤


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