住居空間の祭祀と儀礼 品切れ

森 隆男著
(尼崎市歴史博物館準備室)


1996年2月刊
A5判・394頁・上製本・函入
ISBN4-87294-47-8
7900円 (税別)
「私は、住居を民俗学の立場で研究する視点として、祭祀と接客の二点を採用した。
祭祀に注目したのは、それが住居空間に対する人々の意識が反映された結果であり、住居の本質と密接に関連していると思われるからである。
接客機能に注目したのは、住居を時間の流れの中に位置づけることができ、現代の住居に関わる課題に結びつけることがより容易になると思われるからである。
なお庶民の場合、住居に迎え入れる正式の客として対応したのは、外からやって来る来訪神ではなかったのだろうか。住居空間で行なわれた神々への対応の仕方を、儀礼の中で把握することが本書の中心となる。(中略)以上の考察から、住居は、その内外の境界において開閉をくり返す柔軟な構造をもっているといえる。そのさい対象となったのは、自然環境だけでなく、来訪神など目にみえない霊的存在であった。」(本書「序論」より)
【主要目次】
序 論 
第1章 住居と神々
第1節 火と儀礼 
第2節 神棚の機能 
第3節 仏壇の登場 
第4節 神祀りの深層にあるもの
第2章 住居空間の開閉と接客
第1節 神祀りと接客空間の発達
第2節 渡辺綱伝説からみた住居
第3節 住居の開閉と縁
第4節 接客の象徴 
第3章 漁村の住居・山村の住居
第1節 漁村須賀利の集落と住居
第2節 山村十津川村の住居
第3節 山村秋山郷の住居とすまい習俗
第4章 家および講を単位にする神
第1節 屋敷神祭祀の背景
第2節 屋敷神から地域の神へ
第3節 稲荷講の展開
第5章 家と氏神祭祀
第1節 家と村の祭祀の接点
第2節 宮座儀礼
第3節 宮座縁起の成立と家
第4節 稲荷祭と東寺中門神事
*第1回日本建築民俗学会奨励賞受賞(1996.5)
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