中世日本の神話と歴史叙述


桜井 好朗 著
(黄塵草堂桜井私塾塾長/1931年生まれ)


2006年10月刊
A5判・442頁・上製本・カバー装
ISBN4-87294-436-4
8900円 (税別)
神話と歴史叙述の間に、どのような関係(仕組)が隠されているか。人文学の課題に迫る。
『信貴山縁起絵巻』の笑いから貨幣の起源という神話を読みとり、また『一遍聖絵』を読み解くために、既存のイデオロギー論の枠内にとどまらず、それを批判し、テクスト論の方法を導入する。同時に文字史料のみによらず、絵画史料による解読の方法も重視する。


【収録内容】 
  T
『信貴山縁起絵巻』を読むために
  U
王権と神仏習合−天武天皇五年
神は三度登場する−能についての短章1
顧みすれば−能についての短章2
われらが摩多羅神は舞う−山本ひろ子讃
軍記文学の基本精神−その神話的構造をさぐる
仏法と王法
中世王権神話とその対極をなすもの−構造的に、そして歴史的に
“判官びいき”とその展開
  V
滞留する一遍−『一遍聖絵』巻第七第四段の分析
中世神話と宗教−『一遍聖絵』における名号と入水
歩く中世−『愛知県史 資料編8 中世1』に寄せて
<書評>『一遍聖絵』研究の諸問題−砂川博『中世遊行聖の図像学』から
<書評>『一遍聖絵』研究の諸問題 <再説> −砂川博『中世遊行聖の図像学』から
一遍に関する桜井好朗論述目録
  W
亀裂か境界か−“日本文化史”と“国文学”の交渉
高僧伝絵巻における神話と歴史叙述−『一遍聖絵』読解の試み
  付篇
中世人の思惟と表現−中世文化史研究の対象とすべきもの

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