韓国の倭城と壬辰倭乱

黒田 慶一 編
大阪府文化財センター/1955年生まれ)

2005年4月刊
A5判・574頁・上製本・函入
ISBN4-87294-366-X
9900円 品切れ
倭城とは、豊臣秀吉の朝鮮侵略(文禄・慶長の役、壬辰倭乱・丁酉再乱)の際に、日本軍が朝鮮半島に築いた日本式城郭のことで、現在、韓国南海岸を中心に約30箇所が確認されている。日本国内の16世紀末の城は、当初の形態が窺えなくなっているのに対し、倭城は、壬辰倭乱以後、打ち捨てられていたため、原形を良く留め、日本近世城郭史を研究する上で標準化石となる非常に重要な遺構群である。
本論集は、日韓両国の執筆者による最新の成果を収録する。

【主要目次】
第1部 倭城論
 第1章 韓国の最近の倭城調査について  黒田 慶一
 第2章 倭城の虎口−城門の位置・その機能を中心として−  高田  徹
 第3章 西生浦倭城築造法−築城工程表の復元をめざして−  西川 禎亮
 第4章 戦国織豊期における「惣構」の展開と倭城  福島 克彦
 第5章 文禄の役における仕置の城の存在形態−金泰虎氏の批判に接して−  白峰  旬
 第6章 朝鮮総督府の古蹟政策と地域社会−倭城を中心に−  太田 秀春
 
第2部 戦役論
 第1章 慶長の役(丁酉再乱)に於る長宗我部元親の動向−全州会議の意義−  津野 倫明
 第2章 「蔚山合戦図屏風」の成立と展開  高橋  修
 第3章 壬辰倭乱初期の様相に対する再検討と「壬辰倭乱図屏風」の新たな解釈  盧  永九
 第4章 蔚山地域壬乱義兵の活動とその性格  禹  仁秀
 第5章 伊能忠敬『山島方位記』に見る「朝鮮の役」−伊能図の解析から−  辻本 元博
 第6章 丁酉再乱期における漆川梁海戦の背景と主要経路  李  敏雄
第3部 技術伝達論
 第1章 倭城出土の陶磁器に関する予察−日本出土品を視座として−  片山 まび
 第2章 「唐津焼創始時期−1580年代説−」を問う−岸嶽城の縄張り構造−  木島 孝之
 第3章 17世紀の朝鮮における焔硝貿易と火薬製造法発達  許  泰玖

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