山中湖周辺の民俗

吉田 チヱ子著
(日本民俗学会会員/1924年生まれ)

2004年4月刊
ISBN4-87294-307-4
A5判・260頁・上製本・函入

5900円
富士五湖のひとつ山中湖。その湖畔の山梨県山中湖村長池を中心とした民俗全般を記述。

 「著者は、もともと東京の麻布に生まれそだたれたのであるが、大戦中の昭和19年に山中湖畔の平野に住みつかれて、今日まで五十数年をこの地で過してこられた。

 …まったく一個人の努力によって、ひろく民俗の全面にわたる、できるかぎり正確な記録をのこそうとしたのは、それなりに大事な意味を持つことであったといえよう。

 そのフィールドの山中湖畔は、標高千メートル前後の寒冷な気候、富士火山帯の不毛な土質など、もっともきびしい風土にたちむかいながら、きわめてねばり強い生活をいとなんできたところであった。明治以降の近代化にともなって、むしろ保養地や観光地としては知られるようになったが、なおゆたかな民俗の伝統をうけ継いでいたことを見のがすことはできない。…

 この新しい『山中湖周辺の民俗』の一冊には、この地域の民俗の生きたすがたがとらえられており、その住民の生活の息づかいのようなものまで感じられるのは、特に民俗学の研究者として心ひかれるのである。」 (大島建彦「『山中湖周辺の民俗』に寄せて」より)
【主要目次】
 
『山中湖周辺の民俗』に寄せて──────────────────大島 建彦
序章 山中湖村長池(長池の生活/長池の学校/本書の構成)
第1章 村制と族制(村制/族制)
第2章 人生儀礼(産育/婚姻/葬送)
第3章 生業(入会地/農業/養蚕/漁業/駄賃付け/山稼ぎ/出稼ぎ)
第4章 衣食住(衣生活/食生活/住居)
第5章 年中行事(年中行事の変化/正月/春・夏/盆/秋・冬)
第6章 信仰(神社と小祠/寺院/講/イエの神/俗信)
第7章 芸能と童戯(神楽/六斎念仏/童戯)
第8章 口承文芸(歌謡/伝説/世間話)
 
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