岩田書院 影印叢刊B
江戸市政裁判所
同心当用留


長島 憲子解説
(聖心女子大学大学院修了)


2002年7月刊
A5判・532頁・上製本・函入
ISBN4-87294-252-3
11800円


本書は、江戸市政南裁判所に所属した三廻同心によって書き留められた記録である。
江戸鎮台府が設置された慶応4年5月19日に始まり、東京府が開府された同年8月17日までの90日あまりの記録であるが、その時期は、新政府の草創期にほかならない。内容は、
 @江戸鎮台府からの布告や達 
 A南北三廻同心間の伝達相談事項
 B町政に関する町役人や町名主との連絡事項
 C市中警備および三廻同心の人事の覚え
 D東海道品川宿周辺の助郷に関する伝達書
 E市民から市政裁判所への訴状の写し
などからなる。
市政裁判所の史料としては、「鎮台府一件」「因革史料」「官許 市政日誌」などが知られる が、本書は、それらに見られない貴重な史料を含む。なお、『市政裁判所始末』(東京都市 紀要6、1959年)は、「鎮台府一件」を基礎資料とし「因革史料」補助史料として、市政裁 判所の沿革、事業経過、町政改革、治安等に関して東京都がまとめたものである。本書の本文は影印版(原本を写真版で複製)であるが、利用の便をはかるため、各文書に文書番号を付し、目次には、文書内容、発信人・受信人、月日を記し、併せて上記の関係資料との重複関係を付記し、巻末に解説を付す。


【主要目次】

江戸鎮台府設置につき御達(5/19)、寺社・町・勘定三奉行所接収につき御達(5/19)、御役所并諸記録引渡済につき御達(5/21)、三裁判所設置につき触出、士分の扱いにつき伺、上水并屋敷新地記録引渡につき仰出、公儀貸付金委細取調につき仰出、御元服御大礼につき大赦の御沙汰、小舟町神輿巡行につき御届、囚人賄いにつき申上、米国士官江戸見物申立につき御達、隠密廻・定廻・臨時廻達書、遊女隠置禁止御触、冨仕法書、買受鉄砲につき届及伺、御一新ニ付駅々江御達相成候御触書書写、東京府詰につき御達(8/17)、ほか


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