草相撲のスポーツ人類学
―東アジアを事例とする動態的民族誌―

宇佐美 隆憲 著(東洋大学助教授/1961年生まれ)

2002年4月刊
A5判・454頁・上製本・函入り
ISBN4-87294-246-9
8800円
品切れ


本書は、東アジアの各地に存在してきた草相撲を対象にして、スポーツ人類学的な立場からのフィールドワークに基づき、その存続と変化の現象を記述し分析することで、一つの民族誌的解釈を提示していくことを目的としている。なお、本書で草相撲と言った場合、「それは 本来何らかの形で信仰との関わりを持ち」、「土地との結びつきが強く」、「主として素人の間でおこなわれている相撲」という、非常に広い概念として捉え、使用している。


【主要目次】

序 章   東アジアにおける相撲研究の現状と課題
第1部  日本の事例研究
第1章   島根県東石見地方の事例―草相撲組織の構造と運営方法―
第2章 愛媛県南予地方の事例愛媛県南予地方の事例(1)―吉田町の「卯之刻相撲」―
第3章  愛媛県南予地方の事例(2)―日本における葬礼相撲の二類型―
第4章 茨城県行方地方の事例―延方相撲にみる誥家制と輪番制―
第5章 長野県小県地方の事例―浦風部屋と草相撲組織「依田会」―
第6章 沖縄角力の事例―運動技術・運営組織の近代スポーツ化の過程―

第2部 韓国および中国の事例研究
第7章 韓国シルムの事例
―朝鮮半島のシルムの統一と韓国プロ・シルムとアマチュア・シルム―
第8章 中国延辺朝鮮族自治州の「パ・シルム」の事例(1)
―社会変動と運動形態の変化―
第9章 中国延辺朝鮮族自治州の「パ・シルム」の事例(2)
―スポーツ技術の認知と分類―
第10章 中国内蒙古自治区の「ブフ」の事例
―儀礼を媒介とする伝播と定着―
第11章 中国西南地方トン族の「バンジャオ」の事例
―相撲起源伝承に基づく相撲の意味―
終 章 草相撲の存続と変化

付 録 1940年頃の朝鮮半島におけるシルムの地区別分布

ご注文へ