文学と虚構
―文学とは歴史とは何か―


渡邊昭五著
(大妻女子大学教授)

1995年5月刊
B6判・236頁・並製本・カバー装
ISBN4-87294-24-9
2500円 (税別)


『歌垣の民俗学的研究』『梁塵秘抄の風俗と文芸』などの書で知られる著者が、従来の文学入門・文学概論にあきたらず、歴史・伝承・民俗から、テレビ文化までを視野に入れて語る“異説:日本文学入門”。


【主要目次】

第1章 文学とは
文学とは/正義の証明/思想の情緒化
第2章 机上の勝手な操作と事実の違い
くだらない小説―偶然と殺人/有り得ない虚構/歴史の事実とその語り手/自然主義の萌芽と瓦解
第3章 歴史と伝説と文学
歴史とは/南北朝正閏論/悪玉から善玉への価値転換/文学と歴史の真実―頼朝の死、静御前/文学や伝説のコンクリート化/ブラウン管文化による全国統一思考型の伝承と文学
第4章 伝承の摩滅は文学の退潮画一化か
―米の文化史にみる画一性
伝承の摩滅と生活の実感―文学の散逸消散/生米自身の神秘性の喪失/米の神秘性の喪失と女性の向上/婢財文化の年中行事
第5章 日本語とその翻訳と文学
翻訳文学は完全には理解できない/日本語の未来―日本語は世界語になりうる
第6章 文学の起源説
信仰起源論/労働起源説その他


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