昔話の語りと変容


武田 正 著
(1930年生まれ/山形短期大学教授)

2001年9月刊
A5判・368頁・上製本・函入
ISBN4-87294-216-7
7900円

柳田国男は、神話に貼りついた信仰が希薄化し「零落」して昔話となったとしたが、著者は、信仰の希薄化により、それに代わるものが昔話の語りに要求され、神話が昔話に「成長」したと見る。そのような観点から<昔話の変容>を、モチーフ、話型に限らず、語り手と聞き手を結ぶ「語り」のなかで見なければならない。


【主要目次】

昔話学における昔話変容の研究視角
序 章 昔話幻論―風土と語り―

第1章 昔話の変容
第1節 昔話伝承の時代思潮―昔話の変容とのかかわり―
第2節 昔話の変容―時代とのかかわり―
第3節 語りの変容―または語りの復権―
第4節 昔話の変容と定着―小学校国語読本によって―
第5節 昔話の語りの装置―伝承を支えるもの―

第2章 語りの意味
第1節 語りの類型と機能
第2節 昔話のなかの笑話の位相
第3節 昔話のなかの"夜"―その時間概念―
第4節 語り手と聞き手



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