続 振茶の習俗

漆間 元三 著
(黒部市・富山市文化財審議会委員/1922年生まれ)

2001年2月刊
A5判・104頁・並製本・カバー装
ISBN4-87294-191-8
1000円

 本著で述べる振茶は、巷間でもてはやされている茶道ではなく、長年庶民の間に根づいてきた飲茶習俗である。現存する振茶のなかで最も盛んに行なわれているのは、富山県下新川郡朝日町蛭谷のバタバタ茶である。
 本書では、前著『振茶の習俗』(民俗資料選集12、国土地理協会、1982年)の対象範囲を拡大するとともに、史的考察を深化させて、その実態と変遷推移とを論述する。


【主要目次】

序(天野 武)
第1章 振茶に適する容器の変遷
1 飲茶の意義
 2 茶の薬効をたしかめる振茶
 3 振茶の方法と容器
茶釜による振茶/振茶に使う釜の変遷/
    茶釜から大きな器にとり分けて泡だてる方法/
    個人で泡だてる
付 社寺参詣曼荼羅図の中の振茶

第2章 茶筅考
 1 煎じ物を振る
 2 茶筅の材料
 3 茶筅の進化
付論 上座と地炉
  南西諸島を中心とした炉端の座順/地炉の意義/
  地炉と産室の実態/地炉の再利用/地炉の固定化と女部屋/
  座順の成立/東南アジアにおける産所の火焚/
  史料のなかの横座/本土での産所の火焚き 
 


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