常民大学研究紀要1
柳田学 前史

後藤 総一郎 編
(明治大学教授/1933年生まれ)

2000年11月刊
A5判・356頁・並製本
ISBN4-87294-188-8
3800円


「柳田国男の悲願であった、地域における生活者の学問の興ることをわたしなりに受け止め、この二十数年、全国各地に十余個所のいわゆる「常民大学」をたちあげ、毎月1回、年8回にわたるささやかな「柳田学と地域学」の学びをつづけ、それら各地のメンバーが一同に顔を合わせ、研究報告する「常民大学合同研究会」を重ね、昨年、16回を数えた。時間の積み重ねは、そのまま研究の深化を示してくれた。」  (本書「あとがき」より)

本書は、その合同研究会の成果を公刊するもので、柳田学形成に影響を与えた山中共古・伊能嘉矩・南方熊楠・伊波普猷と、近世末の菅江真澄をとりあげた。いわば柳田学が生まれる前史というものが、ほぼ一世紀にわたってあり、それを大切に見極めておく必要が
あるだろう。それとあわせて、柳田学の内在的研究の広がりをも加えて一書とした。

【主要目次】


T 柳田学前史 
柳田学前史の意義 後藤総一郎
菅江真澄の民俗学史的意義 磯沼 重治
山中共古の人と学問 中山 正典
伊能嘉矩の人と学問 荻野  馨
南方熊楠と柳田国男―日本人の可能性の極限― 米田 裕正
伊波普猷と柳田国男 久保田 宏

U 柳田学の内在的研究
「内閣文庫」の世界―柳田国男と内閣文庫(2) 飯澤 文夫
柳田国男の「氏神信仰調査」考
―東筑摩郡教育部会に依頼した柳田国男の「氏神信仰調査」の実態―
宮坂 昌利
柳田国男の八幡信仰観 松尾 達彦
柳田国男の風景観 高橋 昭男
水神についての考察―神話からその古層を探る 高橋 美子


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