神なる王/巫女/神話
―人類学から日本文化を考える―

高橋 統一 著
(東洋大学名誉教授)

2000年4月刊
A5判・並製本・カバー装・154頁
ISBN4-87294-166-7
2400円


T部は日本の天皇制を、アフリカの未開王国シルック族の「神なる王」から読み解こうとし、U部は、近年のジェンダー論に少し距離をおいて、日本文化における性差を南島の事例などから捉える。そしてV部は、通過儀礼と年齢階梯制をアフリカの事例を併せて論じ、W部では、神話に登場する神々への想い、いわば「神話とのアイデンティティ」を探る。

収録内容

T 神なる王−フレーザーと折口信夫−
1 イギリス社会人類学のアフリカ研究
2 シルック族の神なる王
3 フレーザーの『金枝篇』について
4 折口信夫の「真床覆衾」論をめぐって



U 巫女の文化
1 性差と文化−セクシュアリティとジェンダー
2 男らしさ・女らしさ−ミードからフリーダンへ
3 巫女の文化−オナリ神、ノロとユタ、聞得大君、斎宮
4 南島のノロ祭祀−近代化と文化伝統


V 通過儀礼と年齢階梯制
1 世代と年齢集団−通過儀礼と年齢階梯制
2 アフリカ部族社会の年齢階梯制−ナイル語族系牛牧民・サンブル族
3 日本村落社会の年齢階梯制−若者組と宮座


W 神話と神社をつなぐもの−石見と紀伊−
1 問題の所在−神話とのアイデンティティを探る
2『日本書紀』と石見・大田市の諸神社
3 大田市周辺の諸神社
4「紀伊国」の諸神社
5 大田市大浦と湊の春祭り(参与観察)




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