愛知大学綜合郷土研究所研究叢書14
江戸時代の
農民支配と農民

見城 幸雄 著
(愛知大学教授)

2000年2月刊
A5判・458頁・上製本・函入・
ISBN4-87294-158-6
7800円


本書には、江戸時代の農民支配に関する論考6編を収めた。
農民支配とは言っても、支配される農民側の対応が常に視野に収められている。
まず、幕藩領主の農民支配に対する規制原理を、検地・検見を通じて明らかにし、
本途物成(年貢)負担の実態や、隠地禁制・頼納(田畑の質入れの一形式)禁制について考察。


【主要目次】

徳川封建社会における農民支配の基本方針について
−検地および検見を通じての一考察−
検地および検見の基本方針/その歴史的意味

江戸幕府の年貢収納方針について
江戸幕府の年貢収納方針/検地/検見/取箇付における画一主義と「過不及なき収納」

旧吉田領三州渥美郡馬見塚村における本途物成負担の実態
取高/免/草高・毛付高・諸引高/検見引高(検見引の概観/畑方根取と田方検見取)/諸引米(救引/定免引/中間地悪地引)

隠地禁制について−徳川幕府土地法制の一側面−
隠地禁制(隠地に関する法令/「隠地」の概念/処罰/「引落」と「切開」)/検地「引落」の意義(検地「引落」と検地/幕藩制的農民支配体制/幕藩検地と「引落」)/「切開」とその統制(新田開発の統制/切開・切添にたいする統制/荒地起返の統制)/統制の実態と統制機構(切開統制の実態/徳川幕府の土地・農民統制機構/「代官支配」制度の下における禁制の存在理由

頼納禁制の創始年次について−寛永二十年創始説への疑問−
通説への疑問/史料的検討(享保4年以前・以降)

頼納禁制について
頼納の制禁理由について/永代売と頼納/年貢諸役の収納確保と頼納禁制/領主的土地所有と頼納/年貢諸役高懸り制と頼納禁制


ご注文へ