蟻の目にどんぐり

谷原博信・水野一典編/挿し絵:安部蓉子
(香川民俗学会会長:同会員)

1999年7月刊
A5判・212頁・並製本・カバー装
ISBN4-87294-148-9
2800円

香川県高松市(屋島町・男木町)と綾歌郡綾上町に伝承される昔話196話を収録。
語り口を生かして録音翻字したもので、方言が生き生きとして、地方色豊かな昔話集。
本書の書名にした「蟻の目にどんぐり」は、短いけれども昔話の形式が備わっている。
「蟻の目にどんぐり」
昔、蟻の目にどんぐりがはまって、餅つきの杵でついたら、とんと出た。(綾上町羽床上)


【主要目次】

高松市(屋島東町・男木島町)の昔話
「屋島には、シンネという愚か者を主人公とする昔話がある。愚か者話というより、知恵を働かせて常識人をあっと驚かす昔話である。こうした人物を主人公とする昔話には笑いを誘う話が多いのであるが、しばしばここに登場する主人公は、実在の人物であるかのように伝えることが多い。」(本書解説より)
鼠の浄瑠璃、炭焼き長者、猫又の話、暮当当願、うそすけ、食わず女房、他

綾歌町の昔話 
「ここに載せた昔話は、ほとんど昭和四十年代から五十年代初めにかけての採集である。廃れたとはいえ、当時はまだ昔話をしている老人は何人かいて、「てっちょかっちょ」「一握の藁十六把」「蟻の目にどんぐり」などは、よく耳にしたものである。ことに「てっちょかっちょ」は鳥の名前で、「これが鳴くとささげを植える」と言うように、農事の目安になっていたようである。」(本書解説より)

天人女房、田能久、鼻かぎの名人、手打ちにしようか半殺しにしようか、古屋の漏り、鶴女房、鍛冶のばばあ、猿婿入り、のっぺら坊、猪退治の聟どの、わらしべ長者、海の水はなぜからい、和尚と小僧、ひがんかひーがんか、ひょうたんに酒、猫と鼠、他


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