農耕文化の
民俗学的研究

白石昭臣著
(島根県立国際短期大学教授)

1998年8月刊
A5判・526頁・口絵8頁・上製本・函入
ISBN4-87294-124-1
11800円

イネとムギに代表される稲作・畑作の文化の特色とそのありようを明らかにし、
周辺諸国と対比しつつ、文化複合の観点から、日本の基層文化を解明する。


【主要目次】

序 章  農耕文化の形(イネのルートと儀礼/稲作の多様性と節日/他)
第1部  稲作の展開と儀礼
第1章 稲魂と稲作儀礼(初穂・刈り上げから、正月・播種/周辺諸国の収穫儀礼/他)
第2章  稲と継続観念(年神と田ノ神/稲籾盗みの展開/稲籾種とスジ/他)
第3章 稲魂儀礼の展開(納戸とコモリ/年俵から年桶・袋へ/稲籾から餅へ/他)

第2部  麦と畑作儀礼
第1章  畑作儀礼の構成と意義(麦の対応儀礼/大根を伴う儀礼/他)
第2章  稲作と畑作(サノボリとハンゲ/ハンゲの伝承/竹の焼畑伝承/ヤブ焼きの展開 /ハンゲによる1年の二分化/ハンゲと七夕伝承/ハンゲと土用/レンゲと分化・非分化/レンゲと麦作分化のルート/その他の麦作ならびに畑作の儀礼/ハンゲ・レンゲ・七夕と盆の相関)
第3章  粟・稗の民俗
第4章 大根の民俗(大根の儀礼と特色/法蔵寺の大根の祭り)
第5章 イモ(里芋)の民俗(イモの民俗と系統/イモの儀礼の類型と構成)

第3部 農耕文化の展開
第1章 複合の形態(稲作を主とする型/畑作を主とする型/拮抗する型/併行する型)
第2章 農耕儀礼にみる地域差(出雲・石見の事例/他)
第3章 農耕文化と信仰(山ノ神信仰の展開/山ノ神的信仰と周期的行事/焼畑耕作の周期と対応儀礼/焼畑地域の周期的儀礼と山中他界観/荒神・大元神の作神的・祖霊的両義性/古葬地と祖霊化儀礼/年忌習俗の成立と焼畑/他界観の成立)
第4章 農耕文化と女性(双系的視点から/農耕と母系制/農耕と妹の力)


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