近世史研究叢書3
近世の流通経済と
経済思想


和泉清司著
(高崎経済大学教授)

1998年7月刊
A5判・368頁・上製本・函入
ISBN4-87294-121-7
7900円


本書は、近世における商業や商品流通、市場経済など、流通経済の諸問題について考察するとともに、それらを包括する近世における経営思想や経済思想について考察したものである。
第1篇では、主として流通経済、特に陸上・海上・河川などを介した松前・奥羽・北陸・江戸・上方などにおける商品流通経済と、六斎市をめぐる市場構造の問題を取り扱い、
第2篇では、近世前期の寛文から元禄期における上方を中心とする新興商人の経営思想の問題や、近世中期から後期にかけての経世家や農政家の経済思想についてまとめた。


【主要目次】

第1篇 近世における流通経済
第1章 戦国・近世初期上州における市の形成と流通
市の形成と流通/上州山間部における年貢納金と市の機能/市の構造と機能
第2章 近世における松前・奥羽をめぐる交易と流通
奥羽をめぐる交易と流通/奥羽・松前間の交易と流通
第3章 近世前期日本海における地廻り海運の展開と流通
寛永期における地廻り海運の発展と流通/寛文期の画期と流通
第4章 近世後期における流通経済と問屋経営
下総・境河岸問屋における経営/旅客輸送と経営収支/河岸問屋の地主的経営

第2篇 近世における経営・経済思想
第1章 井原西鶴における経営思想
近世の商人概要/西鶴における経営思想
第2章 安藤昌益における経済思想
昌益の思想形成の背景/封建制批判/自然直耕思想/商業貨幣経済批判
第3章 大原幽学における経済思想
幽学の性学仕法の概要/永続講/先祖株組合/共同購入制/ほか


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