これまで、白山と石動山という北陸地方の霊山については、郷土史―地域史的な観点から「霊山信仰史」が試みられたり、あるいは仏教民俗学の観点から、全国的な修験道の本質を探る素材として言及されてきたりしたが、そこに依拠した修験の、時代毎の宗教的性格などについては、ほとんど探求されてこなかった。
本書は、この問題にここ十年来とりくんできた著者の論文集で、白山・石動山に依拠した修験に関わる縁起や儀礼を、その宗教的意味の探求という視角から分析したものである。1993年度文部省科学研究費補助金「研究成果公開促進費」交付図書。 |
第1部 白山修験の宗教民俗学的研究 |
序 章 白山の宗教的環境とその位置付け |
第1章 『泰澄和尚伝』と越前白山の修験 |
第2章 『白山記』と加賀白山中宮の修験 |
付論 中世加賀白山の組織・荘厳講に関する研究について |
第3章 『白山禅頂私記』と中世後期の加賀白山修験 |
第4章 近世美濃禅定道の祭りとその意味 |
第5章 加賀白山における排仏論 |
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第2部 石動修験の宗教民俗学的研究 |
序 章 石動山の宗教的環境概観 |
第1章 中世石動修験の縁起と宗教的性格 |
第2章 中世後期石動修験の宗教的性格再考 |
第3章 近世石動山の縁起 |
第4章 築山祭祀の成立と意味の変遷 |
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