名誉の戦死
陸軍上等兵 黒川梅吉の戦死資料

坂井久能 編著
(神奈川県立神奈川総合高校教諭/国立歴史民俗博物館共同研究員)
黒川菊蔵 発行(黒川梅吉氏の弟)


2006年8月刊
A5判・422頁・並製本・カバー装
ISBN4-87294-053-9
1700
(税別)
昭和9年、満州事変で21歳の若さで「名誉の戦死」をした陸軍上等兵黒川梅吉の戦死関係資料427点を収録・解説し、その意味を問う。
黒川梅吉は、神奈川県久良岐郡金沢町野島(現:横浜市)に漁師の二男として生まれ、昭和8年に入営し、その半年後の昭和9年6月に満州で戦死。
関係資料は、戦死後、満州の独立守備歩兵第8大隊から送付された文書・手紙類や、陸軍省からの戦死事務関係書類、勲記・勲章類、遺骨還送にかかわる資料や、神戸からの遺骨還送途次に受領した200枚もの名刺などがよく保存されている。また靖国神社合祀にかんする資料も、ほぼ完全に残っている。
このように、本書からは、戦死者を迎える民衆動員の実態や、市町村の公葬から靖国神社祭祀につらなる「名誉の戦死」の体系が明らかになる。
黒川家では「名誉の戦死」を受け入れ、それに相応しい壮大な墓標を建て、「名誉の戦死」と刻んだ。そうすることが梅吉の死を意味づけ、梅吉の慰霊になると思ったからであろう。

【収録内容】 
第1部 その短い生涯
 野島の風土と歴史/生い立ち/入営/独立守備歩兵第八大隊

第2部 戦死と公葬・慰霊
 戦死とその知らせ/公葬と慰霊/名誉の戦死とは

第3部 資料と解題−戦死および慰霊関係資料−
 戦死まで/戦死報告・大隊葬・戦死事務書類/遺骨還送関係/町葬関係/靖国神社合祀 関係/遺族会等/勲記・勲章・杯等/写真類/満州における慰霊祭関係/参考資料
第4部 横浜市金沢の戦争遺跡を歩く
 戦争と金沢/野島の全島要塞化/金沢の戦争遺跡を歩く

ご注文へ TOPEへ