食の復元
遺跡・遺物から何を読み取るのか 2

櫛原 功一 著
(帝京大学山梨文化財研究所)

1999年10月刊
A5判・本文234頁・並製本・カバー装
ISBN4-87294-002-4
2500円
1998年度研究集会開催趣旨より
 「近年、考古学の領域でも食に関する関心が高まり、とくに関連諸科学との連携でさまざまな分析方法が開拓され、大きな成果をおさめつつある。食に関する研究分野は、今後、考古学的調査の中で最も重要性を増すだろうと予想される。
 今回は食の復元について、遺跡で調査する立場から多角的な研究事例の報告を行う。遺跡・遺物にはどのような食に関する情報が残されているだろうか。遺跡調査の中でそれらをどのようにしたら効果的に抽出できるだろうか。また得られた情報をどのように資料操作すれば過去の食物や食生活に関する人間活動の復元が可能となるだろうか。こうした課題を念頭に置いて、食の復元への調査方法論を検討し、新たな可能性を模索したい。
【収録内容】
帝京大学山梨文化財研究所 研究集会報告集2
<基調報告>
煮炊き用土器の作り分けと使い分け−「道具としての土器」の分析− 小林 正史
食生活史復元の一齣−脂肪酸分析などから− 津野 仁
炭化種実から探る食生活−古代〜中世を中心に− 櫛原 功一
動物遺体からみた環境・生業・食生活
−三内丸山遺跡にみる人と自然の関係史−
樋泉 岳二
動植物遺存体の分析・論争−海外の研究事例を含めて― 富岡 直人
<紙上発表・コメント>
縄文稲作論の現状と新たな課題 中山 誠二
芝宮遺跡群・中原遺跡群出土の動植物遺体
−古代の食生活を考える−
藤原 直人
遺跡出土動物遺存体の分析と解釈 本郷 一美
<討論>
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