16世紀末 全国城郭縄張図集成 全2冊


黒田慶一・高田 徹 編
(戦国史研究会会員/1945年生まれ)

2008年8月刊
A4判・総774頁・並製本
ISBNナシ
揃7000円(分売不可)
品切れ
 朝鮮の役時(1592〜98年)に存在した616城(国内580・朝鮮半島36)の縄張図を県別に収録し、データを付す。
 図面は原則として各城1図とし、縄張図・地籍図・復元図・模式図・絵図など最良のものを収録。データは、別名、所在地、規模、文禄・慶長の役時の城主、築城年代、廃城年代、提示した図面のおよその時期もしくは完成時期、主な参考文献、を掲載。

 16世紀末から17世紀初頭にかけて、国内の城郭は織豊期城郭から近世城郭へと変遷する。その契機の一つに、朝鮮の役で豊臣秀吉軍が韓国南海岸に築いた倭城がある。倭城は現在も良好に遺構を残すため、標準化石的な位置づけがなされてきた。
 しかし一方で、同時期の国内各大名の居城のみならず支城、その他の役割を負った城郭の全般的な状況(存続状況や縄張等)が明らかにされる機会がなかったように思われる。
 本書を一瞥すれば、豊臣期における城郭分布が各国単位、各国内の地域的な単位で、かなりばらついていることがわかる。また元和元年(1615)の一国一城令後の存続状況と比較すると、いかに多くの城郭が存在していたかも看取できる。
 本書は、日本史のほんの一時期を、城郭というモノで語る好個の資料集で、城郭が多い東北地方は、関ヶ原合戦(1600年)前夜の会津・上杉征伐の直前に当っているなど、時代相を読み取る上でも格好の書である。本書の利用価値は多方面にわたろう。

【主要目次】

上巻:東日本編 438頁
下巻:西日本・沖縄・韓半島編 306頁

調査担当者:室野秀文・安達訓仁・太田秀春・佐藤信行・正岡義朗・保角里志・石田明夫・三島正之・関口和也・池田誠・池田光雄・小笠原清・数野雅彦・河西克造・鳴海忠夫・佐伯哲也・田村昌宏・加藤理文・石川浩治・亀山隆・早川圭・中井均・山下晃誉・下高大輔・白石博則・山野智久・寺井毅・八巻孝夫・日和佐宣正・松田直則・木島孝之・角田誠・中西義昌・山本正昭

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